こんにちは。SmartHR CEOの芹澤です。

2023年の大晦日、ぼんやりとこの1年を振り返っていたのですが、ふと、思いの外「初めての経験」へのチャレンジがいろいろあった一年だったなと思いました。

今までやったことのないことをやるのは、それだけで大きな学びになります。“非日常” だった初めての経験がいつか “日常” になることもあるかもしれません。この初心を忘れてしまうのも勿体無いような気がしたので、印象的だったものをいくつか書き記してみようと思います。

増量トレーニング

1月~2月の2ヶ月間、パーソナルトレーナーの指導のもとに筋肉量を増やすトレーニングをしました。2022年末から取り組んでいた減量トレーニングからの流れでの挑戦でした。生まれてこの方インドア派で筋骨隆々とは無縁の生活を送ってきており、なんならいかに体重を増やさないかに苦心していた自分が、まさか増量に向けて努力する日が来るとは思ってもいませんでした。

やったことは、週2回のウェイトトレーニングと食事管理で、一番大変だったのは食事管理でした。増量トレーニングを始める前に「増量って食べることを我慢しなくていいから余裕では」と思っていた自分は甘かったです。筋肉を作るためにはタンパク質のほかに糖質が必要で、タンパク質・脂質・糖質のいわゆるPFCバランスのうち、脂質をグッと抑えてひたすらにタンパク質を糖質をとることになります。最盛期は1日におにぎりを5〜6個にミニ羊羹を2〜3本という糖質量でした。一度にたくさん食べると脂肪が合成されてしまうので、1時間間隔で細かく食べるのですが、お腹が空かないのに食べ続けることがこんなに辛いとは思いませんでした。

トレーナー曰く、減量と違って増量は個人差が激しく、筋肉がつきやすい人とそうじゃない人がいるそうです。2ヶ月頑張ったのですが、増えた筋肉量は1kgちょっとで、残念ながら自分は “そうじゃない人” なんだなという気づきがありました。筋肉量はあまり増えなかったのですが、世の中の筋骨隆々な人に対するリスペクトは爆増しました。みんなすごい。

ワンデイワインバル出店

学生時代は長いことイタリアンレストランでアルバイトをしていて、ホールとキッチンを担当していました。社会人になってからも料理はちょっとした趣味として細々と続けていたのと、ここ数年はワインにハマっていたこともあり、いつかまた飲食店をやってみたいと思っていました。

そんななか、ひょんなことから「ひがいけポンド」さんのお店をお借りする機会をいただいたので、会社の同僚と2人で1日限定ワインバルを出店することにしました。同僚はワイン担当で、僕は料理担当。どんなワインを出そうとか、それに合う料理はなんだろうとか、出店前の諸々のやり取りからすでに “非日常” という感じがして楽しかったのを覚えています。

迎えた出店当日、数組のゲストとの会話を楽しみつつ、のんびり料理を提供していくものかと思っていたら、嬉しいことにお店はまさかの大盛況。ピーク時はほぼ満席となり、アルバイト時代でも稀に見る忙しさを経験することになりました。

結局オープンからクローズまでずっと作業に忙殺され、店を閉めた時の「やり終えた感」は普段の仕事のそれとは全く違く、新鮮でした。

利益度外視でやっていたものの、飲食店における食べ物と飲み物の価格設定や食材費・家賃・人件費・光熱費といったコストの考え方などが少し理解できた気がします。

落語鑑賞

これは当ブログ「ビジネスパーソンは落語からなにを学ぶか」に書いた通り。年始から落語にハマり、人生で初めて寄席で落語を鑑賞しました。

喋り一本で勝負する噺家のテクニックからは学べることが多いのと、寄席の楽しみ方をしれたのは大きかったです。生涯の趣味にできる気がします。

会社の人と落語鑑賞で盛り上がって、ついには噺家の方を招いてオフィスで落語を演じていただいたのはいい思い出です。めちゃくちゃ笑いました。

親知らずの抜歯

大人になってからずっと4本の親知らずと共に生きてきました。歯に関するトラブルが極端に少ない人生で、歯医者にお世話になることもほとんどなかったのですが、ふと歯のクリーニングを受けた時に「この親知らず、抜いてみてはどうですか?」という提案を受け、興味本位で抜いてみることにしました。特に痛みがあったわけではないのですが、食べたものがよく挟まって困った存在ではありました。

右側の上下を一気に抜いたのですが、結論、親知らずの抜歯とはこんなにキツイものなのか…と安易な決断をした自分を呪いながらクリニックからトボトボ帰りました。抜歯のキツさは親知らずの生え方によるそうなのですが、僕の右下の親知らずは抜歯に45分を要するなかなかの強者だったようです。

施術前に同僚から「心を殺し、コンクリートに埋まった鉄筋を抜かれる基礎の気持ちで挑むべし」とご助言いただいたのですが、これは本当にそうだなと思いました。

ちなみにまだ左側の上下が残ってます。さて。

テレビ出演

ご縁がありNHKの「とまどい社会人のビズワード講座」に出演させていただきました。

渋谷区生まれなのでNHK放送センターには馴染みがあったのですが、中に入るのは初めて。楽屋やスタジオがずらりと並ぶ建物内の様子や、スタッフ・出演者の方々との台本の読み合わせ、大きなカメラや照明機材が並ぶ収録風景は、どれも僕にとっての “非日常”。めちゃくちゃに緊張しましたがとても良い経験をしました。

僕みたいなテレビ出演が初めてな人がいる中で、オンタイムでテキパキと撮影を進行させていくスタッフの方々の仕事術には本当に関心させられました。普段見ているテレビ番組は、本当にたくさんの人たちの仕事の上に成り立っているのです。

ボッドキャスト配信

11月に個人のポッドキャスト「読んでみてはラジオ」をはじめました。他の人がやっているポッドキャスト番組にゲスト出演させていただいたことは何度かあったのですが、イチから自分で構成を考えて収録し、チャンネルを開設して配信したのはこれが初めて。

番組開始に際して改めて色々なポッドキャストを聞いてみると、進行のみならずBGMやSEなど本当に色々なところに工夫が散りばめられていることに気がつき、普段何気なく聞いているポッドキャストが、なぜ「何気なく聞ける」のかがわかった気がしました。

「読んでみてはラジオ」はパーソナリティ2名で最近読んだ本を紹介しあう番組なのですが、やってみると想像以上に読書との向き合い方が変わりました。「いつかここで紹介するかもしれない」という前提条件がつくので、今まで以上に自分で解釈しながら深く本を読むようになった気がします。インプットとは、アウトプットとセットでやることに意味があるのですね。

ちなみに12月からはSmartHR社でもポッドキャスト「Yet another SmartHR」を始めました。2024年はパーソナリティスキルを高めていくぞ。